心の中の涙

[息子]理解されないもどかしさ


先日、息子が祖父母の家でしんどくて寝ていた日のこと。
塾に行く時間が迫ってきたので、出かけようと思ったが、祖父母宅のカギを持っていない。
万が一のことを考えて、同じ町内のお宅に預けてあるといわれていたので
訪ねて行ってみたけれど、誰も出てこない。
そこのお宅と祖父母宅は一直線で、見通しが利くため、鍵をかけずに家を出ても対処できる。


だけど、自宅にある鍵をとってくるためには、少なくとも大きな角を2つは曲がらなければならず、
しかもどう頑張っても往復で数分はかかる。
もし、その間に祖父母宅に何かあったらどうしよう。
携帯も家に忘れてきたし、誰にも連絡が取れない。
おばあちゃんのところの電話帳を見て、おじいちゃんやおばあちゃんの携帯にかけてみるけどつながらないし
どうしていいのか途方に暮れていた模様。



塾にも電話はできないし、とりあえず誰かが帰ってくるまで待つしかない。
そう考えて、祖父母宅から動けなくなった息子。
職場に電話をかけてきたのは、塾も終わろうか、というような時間になってからのこと。


息子も悪いが、鍵がないので家を空けられない、という状況で息子を置いて出かけた義父母にも腹が立つ。
とりあえず息子には、予定が決まっているときは対処できるように考えて動くように話し、
そのうえで、鍵がなかったので家を出られなかった旨を伝えなさい、と指示をした。


しばらくすると、メールが来て
「あんたはこの状況になるのを待っていた」といわれた

とのこと。
どういうことかと思って、本人に電話をしてみると
「おばあちゃんが帰ってきたから、説明したら、
『あんたは(怠けたいために)こういう状況になるのを待ってたんやろ』
と言われた」という。
  


そんなわけないのに。
よしんば、そんな気持ちがあったとしても、口に出して言うような言葉じゃないと思うし。
即行で義母に電話を入れ、抗議した。


義母 「私かってな、出かけたいから、早く帰ってほしいって言ったけどあかんかってん」
私  「息子の言うことだから、どれぐらいの信ぴょう性があるか、わからないけど
    鍵がなかったことは事実だし、彼なりに頭の中でいっぱい考えて、行動したけど
    うまくいかなかったからパニック起こしているのに、あんな言い方はないと思う」
私  「甘えた言い分かもしれないけど、帰ってほしいと思っていたんなら
    せめて『送って行くから』ぐらいのことを言ってやってほしい。
    一人で帰る自信がなかったのかもしれないし、『送ってくれるなら』と
    素直に帰ったかもしれないのに」
義母 「確かに『送っていく』という発想はなかったわ。鍵のことはおじいちゃんと相談するわ」



とまあ、ちょっと険悪なムードでの電話のやり取りになってしまったけれど
息子を守るためだもの、頑張らないと。
 

その晩は布団の中で息子と話し合い。
「その話題には触れられたくない」
という息子に対して
「今ちゃんと話しておかないと、同じことを繰り返してしまうよ。
 そのたびに怒られるのはもっと嫌だと思うから、話しよう。」
そう言って、怒られたこと、心配かけたこと、みんなが息子のことを大切に思っていること、などを話して聞かせた。
息子は頭から布団をかぶって一言も口を利かずに黙っていた。
こういう態度をとるときは、わかっているけど納得できない、と悩んでいるときなので
「一人にしましょうか?」と尋ねると
「お願いします」と返ってきたので、
隣のベッドルームでマンガを読んで過ごしているとふいにドアが開いて、
「とりあえずおばあちゃんのことは許せてないけど、自分の中で消化できたと思うので、戻ってきてください」
そういって、二人で布団の中で手をつないで休んだ。



そんなこんなを、旦那に話してみたら
「それは、そう思われても仕方がないことをしてきてるから、弁解の余地がないね」
あっさりそう言われた。



どうしてそんな風に言えるんだろう。
どうしてそういう行動に出てしまうのか、そういう思考にはまってしまうのか
それもこれも周囲の大人が《普通であるべきこと》を強要したからじゃないの。
ゆっくり考えたらもう少しましな返事が返ってきtもよさそうなものなのに。


そう考えただけで涙があふれてくる。
私だって、息子が全く悪くない、なんて思ってない。
だけど、心を鬼にしてでもルールを教えようと思うから
同じことを繰り返し繰り返し言い続けてるんじゃない。



いろんな思いが頭の中を交錯して涙になる。