ONとOFFの使い分けをして欲しい

今日はMRのM浦君がやってきた。小さな企業なので、営業マンが自らいろんな売込みをしなければならないわけだから、納品のついでに当然のように、私に会いに来る。私からいろんな情報を仕入れて、院長への売込みを狙わないといけないから。
確かに、うちにくるMRの中では彼はだんとつに若いよ。最近来るようになった業者だし。他の業者は院長の性格とかも分かっているから地域担当のなかでもできるだけ話の通じやすい(多少の決定権を持っている程度の)ベテランを配置していると思う。はっきり言っておじさんばっかりだ。
だけど、だからってどうしてM浦君の事だけをおちゃらけて言われなければならないのか。
そもそも、インフルエンザの判定キットのことで話があったから私が呼びつけていた。でも、肝心のM浦君が尋ねてきた日、私は新人二人の雇用保険の手続きの為にハローワークに行っていて留守だった。その日、届いた商品と共にI藤が私にくれたメモには「MRのM浦さんが、D井さんに会いたがっていましたよ」と書いてあった。その子供じみたというか、人を小馬鹿にしたような表現に少しむかついたけど、「元々私が呼んだんだから、会いに来るのは当たり前」とそのままにしておいた。
それから数日後、またM浦君が来て、私と話をすることが出来たわけだけど、I藤は私に向かって「chopperさん、彼氏が来てますよ」と呼びつけたのである。それも患者様がたくさんいる待合で。患者の皆さんは私が結婚していて、子供がいる事をご存知の方が多い。それなのに、ただの業者を「彼氏」とよばれたら困るではないか。「そういう言い方をしないで。そういう間柄ではないから」と注意を促したのだが、聞いていたやらいなかったやら・・・。
そして、今日。私は患者様と診察前の問診中だった。注文した商品を届けに来た彼は、インフルエンザの判定キットのことがどうなったか知りたかったようで、私との面会を希望した。I藤がやってきて「MRのM浦さんが来られてて、chopperさんとお話したいって言われています。一応、患者様とお話中です、とは伝えたんですけど」というので、患者様の事は看護師に任せて、通用口へ向かおうとしたら「M浦さん、寂しそうにしてましたよ」とまたもや患者様のいるところで大きな声で言う。いや、別に情報が欲しいだけであって、会えたらいいなぁ、ぐらいにしか思ってないから。そもそも「さびしそう」って何?とだんだん腹が立ってくる。M浦君自体は、やっぱり情報を欲しかったみたいで、金銭的なことは私には分からないから、まだインフルエンザ流行ってないし、流行り始めてもお声がかからなかったらあきらめて〜、といって帰す。
そのあと、少し患者様が途切れたせいもあって、むかむかして腹の虫が治まらない。手があいたので、検査データ貼りをするためのカルテを取りに受付に行きたいのだけど、I藤の顔を見ると思いっきりなじってしまいそうで、向こうの部屋に行きたくない。来られるのも嫌だったので、休憩室に退散。しばらくロッカーのところでうずくまって怒りが静まるのを待つが、やっぱり我慢できない。怒りが沸々とわいてきて、さるちゃんとR子に愚痴る。


仕事が済んで、ロッカーで二人っきりになったので、「黙っているとますます状況が悪くなると思うから言うんだけど」と前置きをして「私は今日、あなたの発言のせいで、個人的な感情として非常に気分が悪い」と伝える。「具体的なことを言うととことんまで責めてしまいそうだから、詳しくは話さないけど、『ものを言うときは場所と相手の立場を考えていってもらいたい』『休憩室でワイワイ話す世間話と、患者様がいらっしゃる待合で話す事は縦分けて考えてもらいたい』『今日は私の個人的な感情で腹が立っているけれど、同じように腹を立てている人がいるかもしれない』と思って自分のどこが悪かったかを考えてきて」といくつかのヒントを言い渡し、その日の会話を思い出して考えるように仕向けた。


その後、整形外科で診察の順番を待っている間に電話がかかってきていたので、小雨の振る中を外でしばらく電話で話したが、彼女の答えはまったく私の意図とするところではなかったため、「私が怒っている事はそんなことではない」とだけ伝え、「診察の順番が来るから」と電話を切ってしまった。その後も着信があったようだったが、息子のお迎えなどもあり、あれこれしているうちに世間の常識では電話できない時間帯になってしまっていたのでそのまま放ったらかしになってしまった。
何で、私が、あんたの顔が不細工だから、と怒らなあかんのか。聞くべき事を聞かずに自分の判断で行っている事はわかっているけど、それを私が感情的に怒るのは違うやろ、などむかつくやら連絡が来ないので心配になるやら、てんやわんやの1日となってしまった。