「相方」と呼べる仲

土曜日に、久しぶりに元同僚と二人っきりで飲んだ。
彼女は私より年下の看護師で、入職は同期。初めの1年は週1日しか勤務してなかったけれど、そのあとの5年間を私たちは2人っきりでやりくりし、切り盛りしてきた。他職種との仲も良かったけれど、コンビというか、2人出るのが当たり前、と思っていた。
糖尿病療養指導士の勉強も一緒にやり、一緒に症例を書き、書類を作り、泣きそうになりながら提出して、一緒に受験。一緒に合格した。
その後、彼女はケアマネージャーの勉強をし、私は健康食品管理士の勉強をしながらやっぱり一緒に仕事をしていた。研修会や勉強会にもほとんど一緒に行った。
気心が知れる余り、互いに言い合いになることも少なくなかった。
それでもわからないことはお互いにわかるまで相手に聞き、何でも話せる間柄だった。


彼女はわたしにごく普通の女性としてのおしゃれをする楽しみを教えてくれた。一緒に買い物に行って、いろいろ見立ててくれたし、お為ごかしは一切言わなかったので、私にも自分のスタイルというものを見つけることができるようになった。
私は研修会や勉強会のたびに、彼女をいろんなところへ連れて行った。夜行バスで東京へ来る彼女を神田のホテルで待ったこともあるし、飛行機のチケットの買い方から乗り方、空港からホテルまでの行き方、実際に研修会に行くまでの電車の乗り方も教えた(このときは帰りの羽田で行方不明になり、すでに鬱の症状が出始めていたと思われる私はものすごく疲れた)
名古屋や横浜の研修会にも一緒に行き、公私ともに常に一緒に行動することが多かった。きっと家族よりもたくさんの時間を過ごしたと思う。


そんな彼女と久しぶりにさしで飲んだ。しゃべることはつきず、大勢で飲むときはいつも終電で帰る彼女が、はしごを要求した時は驚いたけど、うれしかった。
そして彼女は私のことを「相方」と呼んでくれた。「同僚」ではなく「相方」だと。今の職場でなくていいので、また「相方」として一緒に仕事がしたいと申し出てくれた。一生の宝物だと言ってもらえてとてもうれしかった。
私も彼女のことを腹を割って話すことのできる一番の親友だと思っていたので、同じように思っていてくれたことがうれしかった。


もう仕事のパートナーとしての「相方」はつとまらないかもしれないけれど、一生の「相方」でいられたらいいと思う。