診察日

このところ、夜になると泣いてばかりいるので、旦那が心配して会社を休んで診察についてきてくれた。
私は、この数日のことを手紙にしてプリントアウトして持って行った。
とにかく一人になりたかった。
静かなところですべてのことから解放されたかった。
家族も家庭も煩わしい物でしかなかった。
そう言った気持ちの数分の一でもいいから伝えたかった。


診察室に呼ばれて、話したことは
「しんどいです」
「疲れました」
「家族が一人にしてくれない」
「何もかも投げ出して静かなところに逃げたい」
持参していった手紙をじっくりと読み終えた主治医は
「まだしんどい状態ですよね。だけど、今はその症状に対する治療を始めているところです。今日は血液検査で血中濃度を測定して、有効濃度に入っていないようだったら増量する。そして有効濃度になっても効果が現れないようだったらさっさと次の治療に切り替えます。そこのところはわかってくださいね」
と話す。


そして
「静かなところへ逃げようと思えば、入院するとか、いくらでも手はあります。だけど今はあなたがいる『家庭』の中で自分の居場所を見つけなければいけない大事なときなんです。例えば入院して楽になっても、退院して戻ってきたらやっぱりしんどいことが待っているんです。今よりもっと大変なことになってしまうかもしれない。だから、今はとてもしんどいだろうけど、踏ん張りどころなんですよ」
「家族がくっついてくることも今は負担にしか思えないでしょうけど、とてもいい家族ですから、きっとあとになったら力になってくれるはずです。そこは自信を持っていいところですよ」
そしてぽつんと
「だけど、しんどいときにくっついてこられるのも疲れるよね」
と慰めてくださった。


そのあと、同伴してきた旦那とバトンタッチ。
どんな話をしたのかは詳しく教えてくれないのでわからないが
「今はお薬を変更しているところなので、奥さんもしんどいと思います」
「少し抗うつ剤を減らしているので、しんどいのはそのせいだと思ってください」
とか言われたらしい。


診察終了後、薬局に行って薬をもらい
整形外科で腰のブロック注射をして
コーヒーを飲んでおしまい。


帰宅後はとにかく疲れて寝てしまった。
8時過ぎに起こされて
明日からの劇団合宿の準備を息子と一緒にする。
こういう何でもないようなことに『幸せ』を見いだせるようになると
少しでも気持ちが落ち着いていくのかな