今日は診察日。何日か前から入力していた手紙を書き直して持っていく。昨日、国民年金や失業保険の手続きに行ったりしたせいもある。書いている内容にまとまりがないこともある。でも、書き直したからといってたいした変化はない。書き直したせいで枚数が増えてしまったぐらい。


おなかが痛かったせいもあって、ギリギリに到着。「少し込んでいまして、11番目です」といわれた割には2時前には呼ばれた。行きのバスの中と、診療所の中でもう一度手紙を読み返して封をする。そして宛名を書く。しばらくは雑誌を読んでいたけれど、だんだん苦痛になってくる。
久しぶりに最後の患者になった。


「こんにちは。どうですか」といつものように椅子に座ったままで先生に問いかけられる。何と返事したのか思い出せない。今の自分には感情というものがなくなった、というようなことを言ったかもしれない。
「書類の件はどうなりましたか」と尋ねられて「あれからメールで連絡をして、謝罪のメールとか問い合わせのメールなどがあって、水曜日に何とか受け取って、昨日手続きをしてきました。」「でも『離職理由は病気療養のためがいいか、一身上の都合による、がいいか』という問い合わせのメールが来たりして、私はその事に対して事業主の書いた理由に異議が歩かないかの意思表示をするわけですから『こちらからは何とも申し上げようがありませんので、先生の思うようにお書きください』とお答えしました」という話をすると、「今回は書類のことでだいぶエネルギーを使いましたね」とおっしゃった。


そのあと、いつもどおりに手紙を読んでいただいていたのだけれど、先生は結構難しい顔をしておられた。今回は日常の事をほとんどか書かず、自分の今の心情ばかりを書き連ねていたから余計にそのような表情をされておられたのだろうと思う。全部読み終えて、「うーん」と言葉を選ぶように語り始めた先生からは「今の状態はある程度予想されていた事です」といつもと同じ言葉を繰り返す。「今までは仕事、という帰る場所が用意されていた。でももうすでにそれもなくなってしまってしまったわけですよね。かといって家の用事もできるわけではない。とても辛い状態だと思いますよ」


「今の状況は全て『症状』です。帰るべき場所を失って「感情」がなくなっていく。『喜怒哀楽』がないと表現されておられたけれど、そうやって自分が自分でなくなるような感覚になる、このことを「離人症」というんだけれど、それもこれもみんなうつ病の典型的な症状なんです。だからここはどうしても乗り越えていかなければいけない。『仕事を辞めたのによくならないじゃないか』って言う人がたくさんいます。これを乗り越えたとき、わかりますよ。『あ、乗り越えられた』って。幸い、環境はそんなに悪くない。だから休めるときはしっかり休んでぼちぼちいきましょう。国家資格を持っているんだから、仕事なんていつからでも始められるよ」と。
そして「家庭のことをすることも立派なことですよ。まずはそこに自信を持てるようになれるといいんですけどね」とも。ここで、今まで思ってきてずっといえなかったことを初めて口にした。「先生、家事をすることはね、当たり前の事だと思うんです。結婚して家庭を持ったからにはあたりまえでごく普通の事だと。だからそこに自分の価値があるとは思えないんです」って。先生はちょっと困ったな、というような顔をしながら「でも専業主婦の方たちもいるし、独身を貫く人たちもいるでしょう。どちらの生き方がいいか、という問題は別として、そういうことにも意味があると思うんだけどね」と言ってくださった。
私にとっては結婚だって、出産だって自分で選んだ道だから、家庭のことをすることも当然だと思っていた。先生は「仕事に重きを置きすぎたところが失敗だったんだろうね」とおっしゃっておられた。それはそうかもしれない。自分のキャパを越えてしまったわけだから。


今回は眠れないことについては特に触れられなかったけれど、このまま入眠障害が続くとちょっと辛いかな。昼間も眠れないし。
きっとこれ以上悪くなる事は、突発的な事故でもない限りないのだろうけれど、いつまで続くのかな、この状態・・・・・