2日間、お手伝いとはいえ、仕事をしてみたし、I上さんのことがどうしても悲しくて頭から離れなかったので、主治医のところに行ってきた。
先生は手紙を読んでくださって、すでにそのときのことを思い出して涙を流してしまっている私に向かって、
「どんな形で辞めたかはともかく、長く働いてきた職場であるし、常に一緒に働いてきた同僚の事をこんな風に言われる事に対して、こういった感情がわくことは当然だし、かばったりする気持ちが起こるのは当たり前で、それは病気でも何でもありません。その技師は確かに長く働いてきたかもしれないけれど、こういう発言をしてしまうということはあまりにも配慮がなさ過ぎる。普通の人ならこんな事は言わない。今回の事は怒って当然の事です」
といってくださった。そして
「そんな人の為に自分の評価がなかったということに対する残念さもわかる」
ともおっしゃってくださった。


それと「仕事をしたら思い出してできたでしょう」とも。「たまには気晴らしになってよかったですね」といいつつ、「いつになっても働く事はできるから大丈夫ですよ」と。
「ただ、まずは病気を治すこと。その次に家事に自信を持って、家庭に軸足を移す事ができるようになること。それができてから仕事のことを考える。この順番だけは守るようにして、くよくよせずにゆっくりやっていきましょう」と、今回行事に参加したことを喜んでくださった。
T浦部長に「主治医から、今は夜の外出も禁止されているので、許可が下りるまで部会もしばらく休ませていただく事になると思います。ただ、献血のような昼間の行事には、体調がよければ参加しますので」と言う事を伝えた、ともお知らせすると、笑いながら「今は本当にその通りだから仕方がないよねぇ。しばらくはその方針で行きましょう」と太鼓判を押してくださった。


私が自責の念にとらわれている事や、R子に対して心配していることなどについては何も触れられなかったけれど、悪い事だと思っておられないのだと受け取っておくことにする。もし、それが私の病気を悪くするような事であるならば、必ず何かをおっしゃるに決まっているから。
R子自身にはこんな事があったとは話せないけれど、私がR子を大事に思って悲しい気持ちになっている事を「当然だ」と肯定されたので、よかった。I上さんからは守りきれなかったかもしれないけれど、私の気持ちは主治医が知ってくださっていると思えば、心強いものがある。


いつものように泣いてしまったけれど、やっぱり、今日、行ってきてよかった。