その3 心療内科

整形外科からまた心療内科へ逆戻り。さすがに17番目、1時間近くほかの医者回りをしてもまだ順番が来ていなかった。内心ほっとしたりして。
何人目かに診察室へ呼ばれてはいる。
ご挨拶をして、耳鼻科でもらっている薬の薬情を見せる。
「あれからどうですか?」と尋ねられても
「あまり変わりがなくて、予定があるときは出かけられるんですけど、それ以外はほとんど家にいて、寝てばっかりです」としか答えられない。
今回は「ちなみに具体的にはどんなところへでかけましたか?」とさらに質問が。
急な質問に一瞬答えに詰まったけれど「エステと、通院ぐらいで、ときどき買い物と、息子を迎えに行っているぐらいです」と返答する。
エステに出かけている”ことにちょっと関心を持たれたようで「エステはきもちがいいですか?」と。
いつも出かけるまで躊躇したり、布団の中でもがいていたりするので
「行くまでは気持ちに体がついてこないので、葛藤というか悶絶しているようなところがありますが、行って話をしたり、施術を受けたりするのは何となくリラックスできていい時間だと思います」
と答えると予約のこととかも尋ねられたけれど
「まぁ、けっこういいかもしれませんね」とのことだった。
私の気持ちが少し外に向いている時間があることを喜んでくださったのかもしれない。


そのあと、最近頭の中で考えていた『期限が決まっている、どうしてもやらないといけないことから、どうでもいいことまでのすべてがのしかかってきて、それらに支配されているような感覚』のせいで体が拒否反応を起こしているのではないか、と言う話をした。
避けては通れない確定申告、それに必要な源泉徴収票がやっと送られてきたけれど、そのことに対して届いたことの報告とお礼のメールを出せずにいること。その背景には去年の給与明細を受け取るたびに送っていたメールについて「困っていた」と言われたことがあり、今回もメールを出すことで相手の迷惑になるのではないかという気持ちが働いてしまう、といったところでこらえきれずに涙が出た。
涙を流している私に、先生は
「そこまで人の気持ちを考えてしまうとねぇ・・・・・所詮他人の考えていることはわかりっこないのだから、そんなに相手の気持ちなんか考えんと、ご自分のペースでやりはったらどうですか?」と。
「だけど、同じような場面に出会うと思い出されてしまうよねぇ」とも言ってくださった。


あの頃、いろいろ言われることにいちいち反応して泣いて泣いて憔悴しきった私を見てきた先生のほうが堪忍袋の緒が切れた、という感じで「籍を置いているから悩むことになってしまう。あなただけがこんなに悩んで悲しむ必要はない。もう辞めてしまいなさい!」と声を荒げて怒っておられた事も思い出される・・・


会社の旅行でバリに行くことについてはすごく喜んでくださって、ゆっくり静養してらっしゃい、息子さんといい思い出をたくさん作ってあげて、と言ってくださった。
先生はいつだって私に安心をくださる。たとえ調子が悪くても先生について行けば大丈夫。そう思えることに感謝。