軽いパニック

耳鼻科に行く途中で、携帯を忘れたことに気がついたが、すでにバスに乗った後だったのであきらめてそのまま出かける。息子が退屈するといけないので、DSを持たせておいたが、結局耳鼻科の待合いでゲームをしただけだった。


谷9から谷町線で東梅田に出て、ごくあたりまえのように阪神電車を目指していた。自分はこうやって通勤してたんだよ、と説明しながら。ものすごく久しぶりに乗る阪神電車。1年半ぐらいは乗っていないように思う。息子が当然隣りにいるものと思っていたので、自分が住んでたところとか小学校とか、説明してあげようと思っていた。だけど息子は先頭車両に乗って、運転席から見る景色に気をとられ、私の隣には来なかった。結果的にはそれでよかったかもしれない。尼崎を過ぎたあたりから、少しいやな感じがしていた。焦りみたいなのが迫ってきていた。


見慣れた景色がどんどん近づいてきて、甲子園に着いたあたりから少しどきどきが始まっていた。なんで?なんで?なんでどきどきしてるの?自問自答を繰り返す間にも電車は進んでいく。西宮に着いた頃には軽いパニックを起こしていた。そわそわとおしりのあたりが落ち着かない。どきどきして叫びたくなるような気持ち。芦屋を過ぎ、御影を過ぎた頃にはずいぶんと治まったけれど、「実家があった場所」を通ったのがいけなかったのか?春になったら花見がてら、昔住んでいたあたりを息子に教えてあげよう、小学校や中学校も教えよう、そんなふうに考えていたけれど、無理かもしれないと思った。今こうやって思い出しているだけでも、胸が詰まるような苦しさがこみ上げてくる。何だろう、この感覚。


でも、買い物のためとはいえ、三宮まで行って、ちゃんとそつなくお話もできた。帰り道がすごく眠たかったけど、今日はずっと起きて行動できた。よく頑張れたよ。