何にもやりたくない

バリに行く前も何もできなくて、不安だけが目一杯ふくらんで、息子と旦那の着替えの用意はできたけれど、自分のことなんかきれいさっぱり忘れてたに近い状態で、途中で着る服がなくなり、土産物屋で買ったTシャツを翌日に着る始末。
出発の日にも、社長ご夫妻をはじめ、いろんな方々からお声をかけられる。確かに今では「重役夫人」の私。だからこそどんな振る舞いをすればいいのか、ずっと悩んでいた部分も大きい(これはたぶん誰にもわからない)。そしてやっぱりかけられる声の多さに微妙に閉口。出発前から疲れていいのか・・・・・


帰国後の心療内科でも話したけれど、社長の奥様などはともかく、ほかのご家族は、社員であるご主人に楚々とついて回っておられる程度で、あまりよその方々とお話をなさらない。普段顔を合わせる機会がないのだから、話しようも無いのは当然だと思う。その点、うちは子供を連れて行ったせいもあるが、なぜか「私と面識がある方」が多く、またどこでもそこでも話しかけられると、職業病のようににこやかに対応して話を合わせている自分がいる。
ただ、今回の旅行で、初めて自分はどんな位置に存在しているのか、を考えさせられた。なぜ、私ばっかりいろんな方とお話しているのだろう、と疑問を持った。ずっと夫のそばにいてもいなくても、妻として社交的に振舞う事が要求されていると思っていたけれど、そうじゃないのかもしれない、とはじめて考えた。


主治医からは
「今までは、ご主人が仕事と家庭をきちんとたて分けておらず、プライベートとそうでない部分が一緒くたになってしまっていた部分もあったでしょうし、それをサポートする役目をずっと果たしてこられたわけですよ。かなり神経を使っていたと思いますよ。これからは、自分のペースを守って行動するようにしましょうね」
と言っていただいた。


一緒にエステを受けに行ったY家とS家の奥様たちも、どちらも私とは面識があるが、2人同士は面識がないので、自然と仲を取り持つように、共通の話題を探したり、モチベーションをあげるのは結構辛いものがあった。帰り道で家族と落ち合って浜辺で海鮮パーティーを開いている頃にはもうみんな勝手な行動を取っていて、どうでもよかったし。


帰国後、ほぼ丸1日を寝て過ごし、翌日は病院めぐりをした。整形に行って、一旦家に帰って息子を迎えて。息子が学童へ行くのとほとんど同時に家を出たが、結局バスには間に合わず、バスと地下鉄を乗り継いで、まずは心療内科へ。そこで「17番目です」と聞いてそのまま耳鼻科まで。耳鼻科も込み合っていて、マイペースな医師のおかげで耳鼻科が終わったときにはすでに5時45分。どうがんばっても息子の迎えには間に合わない。困ったときの何とやらで、おばあちゃんに連絡。息子は迎えに行ってもらって、再び心療内科へ。
主治医は「楽しい思い出が作れてよかったですね」と言ってくださったが返事をするのもしんどい感じ。
「反動が来るかもしれませんが、自分のペースで動いたらよろしい」そういわれたのだが、自分でもある程度、反動がくることを見込んでいて、この週は他の予定を何も入れなかった。
しかもY子ちゃんが忙しかったのか、ランチのお誘いがなかっただけまし。
この日は処方箋を薬局に預けて百貨店へ夕食の買出しに行き、薬を受け取って、またもバスに乗り遅れる。


翌日から日常生活に戻るも、朝が起きられず、息子は遅刻したりギリギリだったり・・・ごめんなさい・・・自分自身はどうしようもなく、何もやる気になれず布団にもぐりこんでいるだけ。夕食もごはんと味噌汁以外は買ってきたものを温めるだけだったり、おかずを作った日にはスープがインスタントだったり。1から10まできちんと作ったごはんを食べさせられるまで何日かかることやら・・・・・
起きていても何もやる気になれず、旅行中の洗い物を洗濯してみたものの干す元気がなく、息子に頼んでもう一度洗い直す。それでも1日たってようやく干せたぐらい。


若干の進歩といえそうなことは、エアロバイクに乗ってみようかと思い始めた事と、それによる筋肉痛というアクシデントに見舞われたため、しっかり湯船に浸かろうか、という気持ちが芽生えてきたぐらいだろうか。数ヶ月ぶりで息子とも2日連続で一緒に風呂に入ったし。(夏になって、学童から帰宅後にまず風呂→宿題→ごはん、という習慣をつけたので、一緒に入るチャンスがなかったが、漫才の練習で遅くなったりして順番が狂いまくったので、ねぎらいの気持ちもあって一緒に風呂に入ってみた。意外とまだ喜んで入ってくれる)


前と比べて泣くような事はほとんどないが、泣くほどの力が残っていないような気もする。人のブログを見てもコメントの一つも書き込むことができないし、そもそもテレビもPCも煩わしい。ブログめぐりはするけれど、すっきりしないし、あれほど準備していったのに、結局音楽も聴かなかった。そして、また音楽も少し煩わしく感じている自分がいる。買い物もほとんどすずやで済ませているし。
なんだかなぁ。