芳しくない

息子の時間に追われているせいもあるが、ほんのちょっと調子が悪い。相変わらずテレビがだめ。ウォークマン携帯に入れている音楽もほとんど飛ばしとばしにしか聞くことができない。
主治医に言わせれば
「息子さんとの関係はとてもいい感じなので、それはよしとしましょう。仕事をしていたらできないことができているのだから、大きな収穫ですよ」
「テレビがだめなのはうつの典型的な症状の一つですから、あんまりしんどいときには家族にも協力してもらいなさい」
「こんなことを言うとすごく失礼だけど、仕事中心にやってきて、家庭をおざなりにしていたわりには家族はみんなお母さんの事が大好きだし、病気のことも理解してくれて協力的だし、幸せですよね。これはやっぱり仕事ばっかりやっていたようでも、そういう家庭にあなたが作り上げてきたんですよね。そこは自信を持っていいんですよ」
とほめてもいただいた。


でも、今はだめだ。ものすごくしんどい。またどこかへ逃げたくなっている自分がいる。しばらく泣かずに過ごせていたのに、また涙を流してしまうようになってきた。
うまくいっていることは全部家族や周囲の人たちのおかげで、できないことは全部自分が悪いような気持ちになっている。家が片付いていないのが気になっているけれど片付けられず、ときどき雪崩を起こすものや服にイライラがつのる。もうすべてを捨て去って自分も捨ててしまいたい。
だけど、夫には「いなくなったら悲しいから消えたりしないで」と言われ、息子からは「ママにはずっと生きていて欲しいから。元気になって欲しいから」と言われてしまった今では自分を捨てることも許されず、消えてしまうこともかなわない。主治医は「消えたくなったらその気持ちをご主人には伝えなさい」というけれど、一度否定されたら、もう2度と言ってはいけないような気がしてしまう。


春休みが終わって、学校が始まり、落ち着いた頃にはまた大きな波がやってきて私を飲み込んでしまうのだろう。また何日も泣いて、寝込む日が続くのかもしれない。旦那の海外〜国内の長期出張があることも追い打ちをかけるに違いない。しばらく週1回で行けてた診察も回数を増やしてしまうかもしれない。主治医の前でまた泣いてしまうかもしれない。
「今の状態が未来永劫続くとは思わないように」
そういわれてはいるけれど、もうこのまま社会復帰なんてできないんじゃないのか、その前に一人の母として、妻としてちゃんとつとめを果たすことができるのか、不安はつのる一方だ。不満要素はないはず。あるとすれば自分自身に対して。どこからともなく「家族に申し訳ない」気持ちがわいてくる・・・・・先生、助けて・・・・・