通院途中の出来事と体調不良

整形外科に向かう途中で、職場の患者様をお見かけした。いつもいつも私のことをかわいがってくださり、「私の家はすぐそこだから、いつでも遊びに来て頂戴ね」とお誘いを受け続けていた方で、通院間隔が少しとぎれても、道ばたで会うと、私と出会ったことを喜んでくださるような方だったので、できれば今の姿はお見せしたくなかった。かといって、避けるところもなく、自然とあちらから見つけられてしまい、しばらく立ち話をしていたが、押し切られるような形で、互いの連絡先の交換をしてしまった。
このことは私の心にひっかかり、「自分の行動は本当によかったのかどうか」ともやもやした気持ちが残り、消化する事ができないまま、時間だけが過ぎていった。


整形外科では相変わらず遅い組の診察で、天気のせいもあり混み合っていたのか、新患の方がおられたようだったので時間がかかっていたのか、診察が済んだころには既に2時近くになっていた。気持ちの整理もつかず、とにかく給料日なので、お金のこともやらなければならず、心療内科へ行こうかどうしようか迷いながら、ピアノの発表会が済んだら「頑張ったご褒美に」と欲しがっていた「小学3年生」を購入したり、100均を回ったりしているうちに疲れてきて、ミスドで休憩。3時を過ぎたので、やっぱり心療内科に行って、もやもやした気持ちを整理しようと決めて歩いていった。


ポケモンのジャングルツアーのチケットを途中で購入。頭が痛くなってきたので、鎮痛剤を飲むための水を購入。とふらふらと寄り道をしながら4時前には心療内科のあるビルに到着。いつものようにとりあえず、1階でトイレに入る。ドーナツ食べてカフェオレを飲んだので、歯磨きをしようと準備を始めたら、急に不安感と動悸が。同時にむかつきとそわそわ感が襲ってきて、何だかパニックを起こしそうな雰囲気に・・・。


急いでエレベーターに乗り、到着したが、受付では「10番目です」とのこと。そわそわしてじっとしているのは辛いし、動悸がして気分が悪く、吐きそうな感じがするし、よっぽど受付に行って「横になるところはありませんか?」と聞きそうになった。10番目がいつなのか、今呼ばれている人は何番目で、後どれぐらい待てばいいのか、ひたすら待つしかなかった。
結局1時間以上待って、やっと呼ばれ、診察室に入ったとたんに「午前中から気持ちがもやもやしていて、ビルに入って、トイレに行った後ぐらいから何だか急に動悸がして、落ち着きがなくて、そわそわして、パニックを起こしそうな感覚があります」と訴えた。
先生は、ふんふんとうなずきながら聞いてくれて、排尿中にふーっとならなかったか、どこのトイレでそうなったのか、丁寧に聞いてくれて、脈拍を測り、血圧を測定したあとで、
「排尿による迷走神経反射による失神状態だったんでしょうね」とおっしゃった。
迷走神経反射による失神状態のあとは代償性の頻脈をきたすし、血圧も普段より低いこと、脈拍そのものは、1時間以上たった時点でも94/分あるので、はじめは100以上/分だった事が予想される事、ただし不整はないので、心電図をとる必要性まではないだろうと、事細かに説明をしてくださった。
「排尿時の迷走神経反射失神はたまにおこることだけど、それが今回起こってしまったのは、やっぱり体調がよくないのでしょうね」といわれた。


夏休みが始まって、子供とテレビを見たり、話をしたりしながらゆっくりと時間をかけて、一緒に朝食をとるようにしているが、本来はテレビを見たりすることがとてもしんどい事、ピアノの発表会が近いので、何となくナーバスになっている子供を思って、夜は一緒の布団で寝るようにしていること、でも、子供が寝てしまったら起き出して用事をしたりするので、主人の食事などと重なったらどうしたらいいのかわからなくなること。
何より、家族のことですらままならない状態なのに、自分のことはもっと何もできず、整形受診のとき以外は風呂にも入れないこと、食事ももうどうでもいいと感じていることなど、ここ何回かの診察で言えなかった、自分のことを話すのが精一杯で、今日のもやもやした気持ちを話す余裕なんて、全然なかった。


先生からは「生活については、子供さん中心にできているので、それはいいことだし、そのまま続けましょう。お子さんのためには少しぐらい無理をしてもいいと言っているので、それ以外のことはしんどかったらしなくてもかまいません」と。
そして「デプロメールを100mgにしてしばらくいい感じのように見えたので、1ヶ月ほど様子を見てきたけど、思ったほど効果があがっていないようだし、デプロメールを最大量の150mgまで増やす事も可能だけど、それではあまり意味がないと思うので、抗鬱剤の変更を考えてみようと思います」と前置きをされ
「ここで2つの選択肢があります。1つは最近発売になったジェイゾロフトというSSRIを使うこと。これは世界的シェアはNo.1で、最もよく使われているいいお薬だといわれているのですが、ただ問題なのは、日本での治験の成績があまりよくなかったことです。これはもしかしたらその治験のモデリングの仕方がよくなかったとか、そういうことかもしれないんだけど、世界では認められているのに、日本では認められにくい薬になってしまっている、という点です。もう1つは世代の古い三環系といわれる薬に戻ることです。これは効果としては十分に期待できるけれども、口渇や便秘といった副作用が強く出てしまう可能性が高いので、そこのところをどうするかが問題になってきます。ってこんなに問題点ばっかり挙げておいてどちらかを選べ、というのもなんだけど、どうしますか?」と私に選択権を振ってこられた。
ご自分でも「えらべ」ということの難しさをわかっておられて、「悪いことを散々言っておいて『どうする?』もないですよね」と笑っておられたが、幸い、わたしにはまだ手持ちの薬が1週間分ほどあることを伝えたところ、「じゃあ、今回は薬を出さないから、次までに考えてきてくださいね」と。先生にも私にも、少し猶予が出来た。


それにしても、迷走神経反射失神をおこすほど弱っているのか、わたし。